静かなる、恋の包囲網

「大体の状況はわかった。しかし、早急に結論を出すのは控えたほうがいいだろう。この件に関してはもう少し調べることにしよう」

しばらくして、それまで黙って聞いていた社長が、何度かうなずいた後口を開いた。

「私の方でも調査を続けます」

雄平が静かに頭を下げる。

「今回の件も含め、新規プロジェクトについては副社長に一任する。城田専務、それで構わないね?」
「はい」

力なく返事をした城田専務。
辻本課長とセキュリティーテクノスの名前が出たところで、城田専務の顔色が変わっていた。
もしかしたらこの件は、城田専務と辻本課長が企てたことなのかもしれないと、塔子はこの時気がついた。