静かなる、恋の包囲網

きっと、雄平に軽蔑されるのだろうと思っていた。
どれだけ非難されても仕方がないと覚悟していた。
しかし、雄平の言葉は意外なものだった。

「随分辛い思いをしていたんだな」

優しくいたわるような言葉とともに、雄平が塔子を抱きしめる。

――えっ。

塔子は驚いて目を見開いた。

「大丈夫だ。塔子は悪くない」

耳元で何度も繰り返される雄平の言葉が、塔子の頭の中で巡る。
そのうちに塔子の抱えていた罪悪感が少しずつ軽くなっていった。