静かなる、恋の包囲網

ピンポン。
いきなり玄関のチャイムが鳴った。

―――大家さんかしら?

塔子は立ち上がって玄関に向かう。
このアパートは不動産屋の管理とはなっているものの、近くに大家が住んでいて細々と世話を焼いてくれていた。
契約はそのままで家賃は払い続けているが、塔子が部屋に帰っていないのは大家も承知していて、こうして部屋を訪れるときにはあらかじめ連絡を入れている。
そのため、タイミングを合わせて大家さんが部屋を覗くこともある。
きっと今日も何か伝えたいことがあるのだろうと、塔子は軽い気持ちで玄関ドアを開けた。
しかし、そこには思いもよらぬ人物が立っていた。