静かなる、恋の包囲網

半月ぶりに訪れた自分のアパート。
もちろん雄平とともに住む高級マンションとは比べ物にもならないが、長い時間を過ごした場所だけに思い入れもあり、心落ち着く場所ではある。
この時の塔子は懐かしさに浸っていた。
2階建てアパートの1階角部屋は、 若い女性の1人住まいとしては防犯上勧めないと不動産屋にはずいぶん止められたが、塔子は気に入って住んでいた。

「ただいま」

玄関を開けると、むっとした空気が漂っている。
1DKの部屋を抜けてカーテンを開け、窓を開けると、やっと風が通り抜けた。

―――ストーカーの心配さえなければ、またここに住むつもりだったのに…。

塔子は小さく肩を落とした。