静かなる、恋の包囲網

―――これからもう少し慎重に行動しなくては。

ベッドに入った後も、塔子は一人考えを巡らせる。
雄平に心配してもらうことは嬉しいものの、そのことで仕事に影響が出たのは塔子にとって望まない結果だった。
だからこそ、もう雄平に心配をかけるようなことはしないでおこうと、塔子は改めて決心した。
正直、雄平の思いを知ったことは塔子にとってうれしいことだったが、そのことで今抱えている不安がすべて消えたわけではない。 誰が何の目的で塔子に情報漏洩の罪を着せようとしているのかも、依然として分からないままだ。

―――さあ、これからどうしよう。

とにかく犯人を捜して潔白を証明しなくては、雄平が手掛けている新規プロジェクトまで影響を受けてしまう。それだけは絶対に避けなくてはいけない。
色々と考えていると眠れなくなって、塔子は夜明け前にベッドを抜け出した。