「昔、まだ俺が大学生だった頃、ちょうど3年の夏に台風が東京を直撃したんだ」
突然どこか遠くを見つめたまま、雄平が話し出した。
「そうでしたね」
その時のことは塔子もよく覚えている。
もともとの予報では台風の直撃は避けられそうだとのことだったが、昼過ぎに雨風が強くなり、夕方には身動きが取れないほどの豪雨となった。
逃げ遅れた学生たちはキャンパスの中で雨が収まるのを待つしかなく、塔子も大学の図書館で雨宿りをしていた。
「あの日、足止めを食った俺は雨が止むまで待とうと図書館へ行ったんだ」
「私も図書館にいました」
「ああ、知ってる」
―――え?
塔子は驚いて雄平を見つめた。
突然どこか遠くを見つめたまま、雄平が話し出した。
「そうでしたね」
その時のことは塔子もよく覚えている。
もともとの予報では台風の直撃は避けられそうだとのことだったが、昼過ぎに雨風が強くなり、夕方には身動きが取れないほどの豪雨となった。
逃げ遅れた学生たちはキャンパスの中で雨が収まるのを待つしかなく、塔子も大学の図書館で雨宿りをしていた。
「あの日、足止めを食った俺は雨が止むまで待とうと図書館へ行ったんだ」
「私も図書館にいました」
「ああ、知ってる」
―――え?
塔子は驚いて雄平を見つめた。



