何度も鳴る携帯を見つめたまま、塔子はしばらく固まっていた。
雄平と話をすれば気持ちが溢れてしまう気がして、電話に出ることができなかった。
ずいぶん迷った結果、「疲れてしまって眠っていました。また改めて連絡します」と雄平にメッセージを送った。
もちろんその後も何度か着信はあったが、塔子が電話に出ることはなかった。
「電話、副社長ですよね?」
「うん」
杏の問いに、塔子は素直にうなずいた。
「知らせなくていいんですか?」
「うん」
新規プロジェクトの交渉のためアメリカに向かった雄平は、分刻みのスケジュールが組まれている。
そんな雄平の時間をこれ以上割いてしまうことはできない。
「日本に帰ってきたら報告するわ」
「いいんですか?」
「ええ」
「でも…」
何か言いたそうな杏だったが、結局言葉を飲み込んだ。
「杏ちゃん、心配してくれてありがとう。でも、私は本当に大丈夫」
もう、子供だった頃の塔子ではない。
自分のことは自分でできるし、周囲の状況を見て判断することもできる。
だからこそ、今は雄平の足枷になりたくないと塔子は思った。
雄平と話をすれば気持ちが溢れてしまう気がして、電話に出ることができなかった。
ずいぶん迷った結果、「疲れてしまって眠っていました。また改めて連絡します」と雄平にメッセージを送った。
もちろんその後も何度か着信はあったが、塔子が電話に出ることはなかった。
「電話、副社長ですよね?」
「うん」
杏の問いに、塔子は素直にうなずいた。
「知らせなくていいんですか?」
「うん」
新規プロジェクトの交渉のためアメリカに向かった雄平は、分刻みのスケジュールが組まれている。
そんな雄平の時間をこれ以上割いてしまうことはできない。
「日本に帰ってきたら報告するわ」
「いいんですか?」
「ええ」
「でも…」
何か言いたそうな杏だったが、結局言葉を飲み込んだ。
「杏ちゃん、心配してくれてありがとう。でも、私は本当に大丈夫」
もう、子供だった頃の塔子ではない。
自分のことは自分でできるし、周囲の状況を見て判断することもできる。
だからこそ、今は雄平の足枷になりたくないと塔子は思った。



