「あ、でも2人分のカットしたやつとホールのやつどっちが良いのか分からなかったのでどっちも買いましたけど大丈夫でした?」
「OK、大丈夫よ。ホールのやつは明日食べるわ。カットした方は帰ったら2人で一緒に食べましょう」
「えっ、俺も食べて良いんですか?」
「ええ、もちろん。せっかく買って来てくれたんだもの。それにたまには貴方とゆっくりお話しをしてみたいと思っていましたからちょうど良いわ。帰ったら紅茶を淹れてちょうだいね」
「え、嫌で…」
「おバカ!返事は全て?」
「だから何でもかんでもYESって言うわけな…」
お嬢様はヒラっと小切手をちらつかせてきた。
それを見た俺はもちろんこう答えた。
「イエッサー!!」
……カンカンカンカン、カンカンカンカン…。
夜、線路前でターゲットの女を蹴り飛ばすと女は蹲りながら「くそっ!!」と叫んだ。
「逃げられるわけないでしょう?さぁ、貴方が借りたままの3000万円、耳を揃えて返していただきますよ」
「私は生きるためにどうしても必要だったのよ!子供を育てるためにも、必要なお金だったの!」
「話しは終わりました?」
「は?」
「あのね、俺たちにとって貴方のお話しはどうだって良いんです。俺が欲しいのは、貴方が借りっぱなしにしたままの3000万円です。それだけを返してもらいにきてるんです。つまり、貴方なんてどうでも良い」
女に向かってナイフを向けると女は俺を酷く睨みつけて言った。
「悪魔め」と。
しばらくして、センは来ると、俺の足元の血の海を見るなり「これまたド派手にやりましたね」と静かに言ってきた。
女の右腕をそこら辺にポイっと捨てたら何でか笑いが込み上げてきた。
「…くくっ…あははははっ!この仕事、やっぱり俺の性に合ってるよ!やめらんないね!」
「…とんでもないお人…。貴方から連絡を貰ってすぐヒツギ達に確認しに行ってもらったら、3000万、しっかり見つかりましたよ。その女の家の茶の間の畳の下にシーツにくるまって入ってました」
「あぁ、そう。良かった、良かった」
「まったく…。貴方の裏表の激しさには参ります」
「キミだって同じだろ?」
「まぁね。では、次の仕事に向かいましょう。待たせるとジュジュが煩い」
昼間は高校生執事、夜は殺し屋。
お嬢様に本業がバレたらお嬢様はどんな顔をするのだろうか?
怖がる?
泣き出す?
まぁ、でもそんなの
「心底どうでも良っか」
「あぁ、それと明日はウーチューブの配信日ですから遅刻しないでくださいね」
「…あ、忘れてた」
おわり



