いやいやそんな事思っちゃ駄目だって。
だいたい戸神くんは前付き合ってた人と違って適当な人じゃないし、しっかりしてるし、
『触んな!離せよっ!』、以前ショッピングモールで暴れていた男の人みたいな乱暴な人じゃないし。
「会いたいな…」
戸神くん…今何処にいるの?
軽く朝ごはんを食べようと、ミネストローネと皿に乗っけたオーブンで焼いたトーストをテーブルの上に並べて何にも音がしない部屋で静かにもぐもぐ食べてたら、急に涙がぼろぼろ流れてきた。
戸神くんに会いたい気持ちもあったけど、それより、半年も付き合ってるのにろくに戸神くんと2人で会える日が無い事やキスもハグも手を繋ぐ事もない事がちょっと悲しくなって涙がこぼれたのだ。
『やっぱ彼女も美人なのかな?』
『だと思うよ。だってブスだったら恥ずかしくて並んで歩けないじゃん』
前に若い女の子達がひそひそ言ってた話し、本当にその通りだと思う。あんなに見た目も良くてかっこいい人なのに、何処でも見た目な私みたいな奴が戸神くんの彼女ってやっぱ間違ってる気がする。私なんて戸神くんの隣に並ぶ資格ないよ。
「……別れて下さいって言わなくちゃ」
そうだよ、さっさと言わなくちゃ…。私みたいなお荷物がずっと側に居たら戸神くんだってめんどくさいよね。
ぐすぐす鼻をすすりながら携帯を開くときっと今頃仕事で携帯なんて見てる暇のない戸神くんに“別れましょう”と短くメールを打った。



