シークレットボーイズ


涼やかな表情で女性用のスキンケア用品が置いてある棚の間を通って行く戸神くんを他の女性のお客さん達が頬を赤らめながら振り向いて見ていた。でも見られてる事には戸神くんは全く気付いていない。

「……やっぱりモテるなぁ。足長…羨ましい…」

そういえば何で戸神くん、私なんかと付き合ってくれたんだろ?

“気付いたら付き合ってた”と言う現状を思い出してぼんやりしてると「今の人カッコよくない!?」なんて若い女の子達の黄色い声が側で聞こえてきた。

「彼女居んのかな?」

「間違いなく居るでしょ!」

「やっぱ彼女も美人なのかな?」

「だと思うよ。だってブスだったら恥ずかしくて並んで歩けないじゃん」

ブスだったら…。

お試し用の化粧品の近くに置かれてあった鏡をなんとなく覗いてみるけど、何回見てもやっぱり私は何処にでも居る何処でも顔だった。美人でも可愛いでもない顔って事。思わずため息をついてしまった。

戸神くん、私と歩いてたら笑われちゃうよね。ってか戸神くんが可哀想に思えてきた。

「…別れた方が良いのかな」