シークレットボーイズ


形の良い切れ長の瞳に白い肌、黒い髪。横顔なんてまるで絵に描いたように綺麗でつい見惚れてしまう。戸神くんは…美人だ。

「僕の顔に何かついてます?」

「あっ…ううん…!」

親友ので貝塚《かいづか》ちゃんがこの間『戸神は恋愛なんて興味ないみたいで今までずっと彼女が居なかったらしい』って言ってたけど本当なのかな?

こんなに美人で背も高くてモデルさんみたいなのに、彼女居なかったって信じられない。

言い方悪いけどこんな好条件が揃いに揃った人が居たら例え恋愛感情が無かったとしても女の人達が放っておくわけないだろうし、と言うか間違いなく絶対戸神くんに恋してた人大勢居ると思うんですけど何で恋人居なかったんだろ?…あ、戸神くんが自分の事に鈍感だから気付かなかっただけとか?

「…さん、……のさん、今野さん」

「えっ?」

はっ と我に返って顔を上げると戸神くんは不思議そうな表情で私を見ていた。

「考え事…ですか?」

「か、考え事?」

「えぇ、何度呼んでも上の空だったようでしたので。何を考えていたんですか?」

「ええっと…」

戸神くんの事ですって言ったら戸神くんはどんな顔するのかな?

「…何でもないです」

結局言えなくて笑って誤魔化すと「そうですか」と頷いて戸神くんは目の前の棚に置かれてあったシャンプーボトルを手に取った。そしてそれはついさっき私が買ったやつと同じ物だった。