踵を返して歩き出すと「じゃあ4年!」と後ろからあの子の必死な声が聞こえてきた。
「4年だけ待ってて下さい!私、17歳になったらもう1回、宮原さんに告白しますから!」
「…は?」
何言ってんの…あいつ…?
ワケ分からなくなって振り返るとあの子は必死な顔で頬を真っ赤にしながら両目に涙を浮かべて俺を真っ直ぐ見ていた。
「私絶対宮原さんの事振り向かせますから、4年だけ待ってて下さい!4年経ったらもう1回宮原さんに好きだって言いますから!」
…こいつ、馬鹿なのか?つうか何でろくに話した事もない俺なんかをそんなに好きなんだよ?「……意味分かんねぇ」
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令和6年4月。迷惑で勝手な彼女から告白を受けた。だけどその後数年経って、ようやく何であの子があんなに俺の事が好きなのかを知った。もう随分昔の事でそれはとてもさり気ない事だったからすっかり忘れていた。
その事に気付いたのは大きな(殺しの)仕事が片付いてようやくゆっくりする時間が出来て久々に部屋を自分で掃除してた時にタンスの奥から出て来たたった1個の虹色のビー玉を見つけた時だった。
あれは俺が13歳の時、婆ちゃんのお見舞いに1人で病院に行った時の話し、病院の廊下でけしょけしょ咳をしながら歩いていた小さな女の子が居た。



