君と一緒に明日へ行く


「はいどうぞ。」

「あ、ありがとう。」

私がお礼を言い席に座ろうとしたらるちなちゃんがこっちにもどっできて私の耳に顔を近づけていった。

「優斗君にかばってもらったからって、調子に乗ってるんじゃないわよ。」

「・・・・・え。」

るちなちゃんはそう言い残して、優斗のところに由乃ちゃんと戻って行ってしまった。

調子に乗ってなんかいないのに。

私はこんなことになると思ったから、優斗に余計な事されて嫌だったくらいなのに。

そういえば、気づいたらるちなちゃん優斗のこと氷鷹君と呼んでたのが優斗君呼びになってた気がする。

優斗はいいって言ったのかな。なんか私以外が優人のことを下の名前で呼んでるといやだって気持ちになるな。

優斗たちのほうを見ると楽しそうにしゃべっていた。

楽しそうだな。それに比べて私は、一人自分の席で静かに本を読んでいることしかできないもんな。

私はため息をつきながら本を開いた。

この本の主人公私と似てる気がする。

その本の子はあることがきっかけでみんなからいじめられている子だった。

それを自然界にあるものから擬人化した男の子たちのおかげでだんだん元気が出てくるという話だ。

もしかしてもういじめられてるってことなのかな。

いままでいじりとしか感じてなかったけど、さいきんもう限界になってきたから。

優斗にも嫌われてたとるひとがいなくなっちゃったからもうどうにもできないけどね。

この水の擬人化の唯人君って子優斗にとっても似てる気がする。

そしたら急に眼から水が手で来る感覚がした。

え、なんで泣けない話を選んだはずなのに。

自分と重ねちゃって、こんなことがあったらいいのにって思っちゃう。

私は席を立ち、顔を隠すようにして廊下に行った。

とまってとまってとまって!

なぜかなかなか止まらない涙にいらついていた。

「あゆ!だいじょうぶ?」

教室から慌てたようにして優斗が出てきた。