私なんかが何を言っても、意味のないことなのかもしれない。
だけど、どうしても黙っていられなかった。
言いたいことはまだまだある。
「みんなの頑張りを事務所の都合で踏み躙られるなんて、絶対許せない! 樹の名前が予定通り売れたから、それでScorpioを解散させる? そんなの間違ってるわ!」
私が怒りをぶち撒け終わると、しばらくの沈黙の後、呆れたように蓮が口を開いた。
「そんなこと言ったって、事務所が決めたことだ。どうしようもない」
その顔には悔恨の色が広がっている。
蓮だって既に何度となく思ったに違いない。きっとこれまでに様々な葛藤があったはずだ。
その暗く沈んだ表情は、どこか諦めているように見えた。
「樹が海外の事務所とプロモーション契約をした。明日の配信で、あいつが活動拠点を向こうに移すこと、それに伴うScorpioの無期限活動休止が発表される」
「そんなっ……」
「活動休止と言うけれど、事実上の解散だ。樹なしでは、グループ活動を続けても意味がないという事務所の判断。もう、俺たちにはどうすることもできないんだよ!」
私は言葉を失う。
Scorpioの解散をこんな形で知ることになるなんて……。
推しがそんな扱いを受けていたなんて……。
事務所の思惑に翻弄されるアイドルたち。
そんな残酷な現実に、私は息をするのも忘れてしまう。
何か言わなければ。
そう思うのに、気ばかり焦って何も言葉にならない。
やっと絞り出した私の声は情けなく震えていた。
「蓮はいつ、このことを知ったの?」
私の問いに応えるように蓮は小さく溜め息をついた。
「半年くらい前」
そんな短い答えを補うように、成瀬さんが話し始めた。
「俺と石川さんが初めて話をした日のこと、覚えてる?」
私は成瀬さんを見つめた。
どうして今そんな話をするんだろう。
成瀬さんの意図が掴めないながらも、私は小さく頷いた。
「ライブの当落発表の日ですよね」
「そう。あの日、電話があったでしょ? 相手は、こいつ。樹の脱退を知った蓮が、最後のライブになるから、同期三人でステージに立ちたいって連絡してきたんだ」
「同期……」
「いつか三人でライブステージに立つ。それが俺たちの初めての約束だったから」
ベランダに夜風が吹き抜けた。
だけど、どうしても黙っていられなかった。
言いたいことはまだまだある。
「みんなの頑張りを事務所の都合で踏み躙られるなんて、絶対許せない! 樹の名前が予定通り売れたから、それでScorpioを解散させる? そんなの間違ってるわ!」
私が怒りをぶち撒け終わると、しばらくの沈黙の後、呆れたように蓮が口を開いた。
「そんなこと言ったって、事務所が決めたことだ。どうしようもない」
その顔には悔恨の色が広がっている。
蓮だって既に何度となく思ったに違いない。きっとこれまでに様々な葛藤があったはずだ。
その暗く沈んだ表情は、どこか諦めているように見えた。
「樹が海外の事務所とプロモーション契約をした。明日の配信で、あいつが活動拠点を向こうに移すこと、それに伴うScorpioの無期限活動休止が発表される」
「そんなっ……」
「活動休止と言うけれど、事実上の解散だ。樹なしでは、グループ活動を続けても意味がないという事務所の判断。もう、俺たちにはどうすることもできないんだよ!」
私は言葉を失う。
Scorpioの解散をこんな形で知ることになるなんて……。
推しがそんな扱いを受けていたなんて……。
事務所の思惑に翻弄されるアイドルたち。
そんな残酷な現実に、私は息をするのも忘れてしまう。
何か言わなければ。
そう思うのに、気ばかり焦って何も言葉にならない。
やっと絞り出した私の声は情けなく震えていた。
「蓮はいつ、このことを知ったの?」
私の問いに応えるように蓮は小さく溜め息をついた。
「半年くらい前」
そんな短い答えを補うように、成瀬さんが話し始めた。
「俺と石川さんが初めて話をした日のこと、覚えてる?」
私は成瀬さんを見つめた。
どうして今そんな話をするんだろう。
成瀬さんの意図が掴めないながらも、私は小さく頷いた。
「ライブの当落発表の日ですよね」
「そう。あの日、電話があったでしょ? 相手は、こいつ。樹の脱退を知った蓮が、最後のライブになるから、同期三人でステージに立ちたいって連絡してきたんだ」
「同期……」
「いつか三人でライブステージに立つ。それが俺たちの初めての約束だったから」
ベランダに夜風が吹き抜けた。

