すると、不意に成瀬さんがニコリと微笑んだ。
その笑顔は見ているだけで心が安らぐような温かさを含んでいる。
彼独特の纏う空気がそう感じさせるのだろう。
なんたるヒーリング効果!
あんなに余裕をなくしていた心が、成瀬さんの笑顔で解されていく。
私は頬がへにゃりと緩んでいることを自覚しながら、ふと視線を感じてそちらに顔を向けた。
視線の主は蓮。
彼はまるで拗ねた子どものように、口を尖らせていた。
『なんだよ、お前。俺のことが好きなんじゃないのかよ』
そんな心の声が聞こえてくるようだ。
……え? 何その顔。可愛すぎるんですけど?
その表情があまりに可愛くて、思わず笑ってしまった。
すると、蓮の頰がカッと赤くなる。そして、またふいっとそっぽを向いてしまった。
私は思わず口元を押さえる。
蓮のらしくない可愛らしい反応に、身悶えしてしまいそうだ。
私の推したちは、本当になんて尊いんだっ!!
いつの間にか、蓮と言い合っていたことも忘れて、推しの鑑賞モードに入ってしまっていた。
そんな私の変わりように、成瀬さんは堪えきれないと言った様子で笑いだす。
「もう、機嫌は直ったのかな?」
成瀬さんが私に向かって優しく微笑む。
その笑顔は完全に私の心を見透かしているようで、何だか気恥ずかしい気持ちになった。
「別に私は……。Scorpioのことや、蓮のことが心配なだけで。その……怒っていたわけでは……」
モジモジと歯切れ悪く答える私を見て、成瀬さんは微笑んだまま「うん、うん。分かるよ」と頷いた。
「こいつも石川さんと同じ。今、気持ちに余裕がないんだ。いつもはこんな奴じゃない。石川さんの知ってる影山蓮が、本当のこいつだから。幻滅しないでやってよ」
「幻滅なんてそんな……」
私もとんでもない醜態を晒していたなと、今更ながらに恥ずかしくなって俯いた。
私が推しに対して幻滅なんてするはずがない。
むしろ、新しい一面を知ることが出来て嬉しいくらいだ。
だけど……蓮は……。
改めて蓮に視線を向ければ、彼はまだ拗ねている様子だった。
むすりと唇を尖らせたままベランダで佇んでいる。
だが、時折私の方をチラリと見ては小さく溜め息をつく。そして、小さく舌打ちをする。
そんな蓮の様子に、成瀬さんは少し困ったような顔をした。
蓮の背中をポンと軽く叩く。
「蓮。言うことがあるだろ?」
その笑顔は見ているだけで心が安らぐような温かさを含んでいる。
彼独特の纏う空気がそう感じさせるのだろう。
なんたるヒーリング効果!
あんなに余裕をなくしていた心が、成瀬さんの笑顔で解されていく。
私は頬がへにゃりと緩んでいることを自覚しながら、ふと視線を感じてそちらに顔を向けた。
視線の主は蓮。
彼はまるで拗ねた子どものように、口を尖らせていた。
『なんだよ、お前。俺のことが好きなんじゃないのかよ』
そんな心の声が聞こえてくるようだ。
……え? 何その顔。可愛すぎるんですけど?
その表情があまりに可愛くて、思わず笑ってしまった。
すると、蓮の頰がカッと赤くなる。そして、またふいっとそっぽを向いてしまった。
私は思わず口元を押さえる。
蓮のらしくない可愛らしい反応に、身悶えしてしまいそうだ。
私の推したちは、本当になんて尊いんだっ!!
いつの間にか、蓮と言い合っていたことも忘れて、推しの鑑賞モードに入ってしまっていた。
そんな私の変わりように、成瀬さんは堪えきれないと言った様子で笑いだす。
「もう、機嫌は直ったのかな?」
成瀬さんが私に向かって優しく微笑む。
その笑顔は完全に私の心を見透かしているようで、何だか気恥ずかしい気持ちになった。
「別に私は……。Scorpioのことや、蓮のことが心配なだけで。その……怒っていたわけでは……」
モジモジと歯切れ悪く答える私を見て、成瀬さんは微笑んだまま「うん、うん。分かるよ」と頷いた。
「こいつも石川さんと同じ。今、気持ちに余裕がないんだ。いつもはこんな奴じゃない。石川さんの知ってる影山蓮が、本当のこいつだから。幻滅しないでやってよ」
「幻滅なんてそんな……」
私もとんでもない醜態を晒していたなと、今更ながらに恥ずかしくなって俯いた。
私が推しに対して幻滅なんてするはずがない。
むしろ、新しい一面を知ることが出来て嬉しいくらいだ。
だけど……蓮は……。
改めて蓮に視線を向ければ、彼はまだ拗ねている様子だった。
むすりと唇を尖らせたままベランダで佇んでいる。
だが、時折私の方をチラリと見ては小さく溜め息をつく。そして、小さく舌打ちをする。
そんな蓮の様子に、成瀬さんは少し困ったような顔をした。
蓮の背中をポンと軽く叩く。
「蓮。言うことがあるだろ?」

