今日の昼間は珍しくのんびりと昼食が取れた。
いつもは資料片手にコンビニ弁当をかき込むことが多いのだが、今日は何故だか急ぎの仕事もなくて、近場のカフェへランチをしに行くことができた。
いつも混んでいるその店で、運良く窓際のカウンター席に座ることができて、通りを歩く人を眺めながら、お気に入りのランチプレートを満喫した。
今にして思えば、あれが心穏やかでいられた最後の時だったのかもしれない。
ランチプレートを食べ終えて食後のコーヒーを啜っていると、スマホに着信があった。スコッコ仲間の由紀さんからだった。
平日の昼間に電話なんて珍しい。何だろう。まだ次のライブ情報は解禁されていないはずだけど。
不思議に思いながら、通話ボタンをタップした。
「もしもーし。由紀さん? 珍しいですね。昼間に電話なんて。由紀さんも昼休憩中ですか?」
呑気な私の問いかけとは対照的に、由紀さんの第一声は震えていた。
『千紘ちゃん、速報見た?』
「いえ。何かあったんですか?」
由紀さんが電話の向こうで息を吐く。それから、興奮したように一気に捲し立てた。
突然告げられたニュースに、私は思わず息を呑む。
耳から離して見たスマホの画面には、速報テロップが表示されていた。
“ダンスボーカルグループScorpioの藤崎樹、グループ脱退を発表”
は? これって……。
思わぬ報道に頭が真っ白になる。
「由紀さん。樹が脱退って、どういうことですか!?」
私は震える声を絞り出すように問いかける。
だけど、返ってきた答えは中身のないものだった。
『そんなの、こっちが聞きたいわよ!』
半ば怒ったような由紀さんの声。
それはそうだろう。一ファンの由紀さんが詳細を知るはずがない。
でも、どうして急に?
……急? 本当に急なことだろうか?
……もしかして、あの時にはもう決まっていたことなんじゃないだろうか。
ふいに、私は先日流れた出所不明の噂話を思い出した。
その可能性を振り払うように、頭をブンブンと横に振る。
「Scorpioは? Scorpioはどうなるんですか?」
Scorpioは樹人気に支えられているところがある。
樹が脱退なんて……。もしかしたら……。
想像したくない事態に目の前が真っ暗になる。
電話の向こうの由紀さんは困惑が頂点に達したのか、鼻をグズグズと鳴らし出した。
『全然、何もわからないよ。公式もサーバーが落ちてるのか、繋がらないし』
いつもは資料片手にコンビニ弁当をかき込むことが多いのだが、今日は何故だか急ぎの仕事もなくて、近場のカフェへランチをしに行くことができた。
いつも混んでいるその店で、運良く窓際のカウンター席に座ることができて、通りを歩く人を眺めながら、お気に入りのランチプレートを満喫した。
今にして思えば、あれが心穏やかでいられた最後の時だったのかもしれない。
ランチプレートを食べ終えて食後のコーヒーを啜っていると、スマホに着信があった。スコッコ仲間の由紀さんからだった。
平日の昼間に電話なんて珍しい。何だろう。まだ次のライブ情報は解禁されていないはずだけど。
不思議に思いながら、通話ボタンをタップした。
「もしもーし。由紀さん? 珍しいですね。昼間に電話なんて。由紀さんも昼休憩中ですか?」
呑気な私の問いかけとは対照的に、由紀さんの第一声は震えていた。
『千紘ちゃん、速報見た?』
「いえ。何かあったんですか?」
由紀さんが電話の向こうで息を吐く。それから、興奮したように一気に捲し立てた。
突然告げられたニュースに、私は思わず息を呑む。
耳から離して見たスマホの画面には、速報テロップが表示されていた。
“ダンスボーカルグループScorpioの藤崎樹、グループ脱退を発表”
は? これって……。
思わぬ報道に頭が真っ白になる。
「由紀さん。樹が脱退って、どういうことですか!?」
私は震える声を絞り出すように問いかける。
だけど、返ってきた答えは中身のないものだった。
『そんなの、こっちが聞きたいわよ!』
半ば怒ったような由紀さんの声。
それはそうだろう。一ファンの由紀さんが詳細を知るはずがない。
でも、どうして急に?
……急? 本当に急なことだろうか?
……もしかして、あの時にはもう決まっていたことなんじゃないだろうか。
ふいに、私は先日流れた出所不明の噂話を思い出した。
その可能性を振り払うように、頭をブンブンと横に振る。
「Scorpioは? Scorpioはどうなるんですか?」
Scorpioは樹人気に支えられているところがある。
樹が脱退なんて……。もしかしたら……。
想像したくない事態に目の前が真っ暗になる。
電話の向こうの由紀さんは困惑が頂点に達したのか、鼻をグズグズと鳴らし出した。
『全然、何もわからないよ。公式もサーバーが落ちてるのか、繋がらないし』

