赤面が一転、青ざめた私に、成瀬さんの優しい声が降り注ぐ。
「なんでそんな顔をするんですか? いいじゃないですか、推し活。夢中になれるものがあるって素敵ですよ」
ヲタ活を“素敵”と言ってくれる人なんて初めてだ。
私は思わず顔を上げる。
そこには、爽やかな笑顔があった。
「えっと……キモいとか……」
つい口をついて出た言葉に、成瀬さんは真面目な顔で首を振る。
「思わないです。俺、そういうのに偏見ないんで」
……神だ。すべてを許してくれる神がここにいた。
泣きそうになっている私に、成瀬さんは慌てて言葉を継ぐ。
「ああ、そんな顔しないで。もちろん、誰かに迷惑をかけるような推し活はダメだと思います。でも、石川さんは違いますよね? まだ深くは知りませんが、節度のない人には見えません」
優しい。本当にこの人、どこまで優しいの。
こぼれそうな涙をこらえ、深呼吸して気持ちを整える。私は小さく口を開いた。
「周囲に迷惑をかけないよう気をつけてはいるんです。でも、今日みたいに時間を忘れて没頭してしまうこともあって……。お店や店長さんにご迷惑をかけてしまいました」
項垂れる私に、成瀬さんはやんわりとした口調で返す。
「今日のことは気にしなくていいですよ。むしろ、ちゃんと声をかけなかった俺の責任です」
その優しさに、思わず甘えたくなる。
あなたの優しさ、神レベルです。もっと甘やかしてくださいっ!
……そんな欲が頭をよぎったが、私は首を激しく振って打ち消した。
「ダメなんです。ちゃんと自重しないと。誰にも迷惑をかけず、不快な思いもさせず……」
お腹に力を入れているのに、声が震えてくる。私はごまかすように鼻をすすった。
すると突然、成瀬さんが立ち上がり、私に手を差し出してきた。思いがけない展開に、涙は一瞬で引っ込んだ。
「石川さんが気にするなら、今すぐ出ましょう。それで今日のことは問題なし。そもそも俺のわがままで残ってるだけですし」
「で、でも、店長さんを遅くまで引き止めてしまったのは……」
「引き止めてなんかいませんよ。いつもこの時間まで、レジ締めとかで店にいるんですから」
「なんでそんな顔をするんですか? いいじゃないですか、推し活。夢中になれるものがあるって素敵ですよ」
ヲタ活を“素敵”と言ってくれる人なんて初めてだ。
私は思わず顔を上げる。
そこには、爽やかな笑顔があった。
「えっと……キモいとか……」
つい口をついて出た言葉に、成瀬さんは真面目な顔で首を振る。
「思わないです。俺、そういうのに偏見ないんで」
……神だ。すべてを許してくれる神がここにいた。
泣きそうになっている私に、成瀬さんは慌てて言葉を継ぐ。
「ああ、そんな顔しないで。もちろん、誰かに迷惑をかけるような推し活はダメだと思います。でも、石川さんは違いますよね? まだ深くは知りませんが、節度のない人には見えません」
優しい。本当にこの人、どこまで優しいの。
こぼれそうな涙をこらえ、深呼吸して気持ちを整える。私は小さく口を開いた。
「周囲に迷惑をかけないよう気をつけてはいるんです。でも、今日みたいに時間を忘れて没頭してしまうこともあって……。お店や店長さんにご迷惑をかけてしまいました」
項垂れる私に、成瀬さんはやんわりとした口調で返す。
「今日のことは気にしなくていいですよ。むしろ、ちゃんと声をかけなかった俺の責任です」
その優しさに、思わず甘えたくなる。
あなたの優しさ、神レベルです。もっと甘やかしてくださいっ!
……そんな欲が頭をよぎったが、私は首を激しく振って打ち消した。
「ダメなんです。ちゃんと自重しないと。誰にも迷惑をかけず、不快な思いもさせず……」
お腹に力を入れているのに、声が震えてくる。私はごまかすように鼻をすすった。
すると突然、成瀬さんが立ち上がり、私に手を差し出してきた。思いがけない展開に、涙は一瞬で引っ込んだ。
「石川さんが気にするなら、今すぐ出ましょう。それで今日のことは問題なし。そもそも俺のわがままで残ってるだけですし」
「で、でも、店長さんを遅くまで引き止めてしまったのは……」
「引き止めてなんかいませんよ。いつもこの時間まで、レジ締めとかで店にいるんですから」

