待ち伏せされた悪役令嬢、幼馴染み騎士団長と初恋をやり直す。

 オルランドはこれまで前提としていた事態が、まったく違っていたせいか、とても驚いていた様子だった。

 ええ。そうなの。本当はクラウディアは貴方の思って居た通りの辛い状況だったのだけど、私は記憶を取り戻してすぐなので、いくら顔が良かろうがクズな行為を連発する婚約者になどまったく未練はないわ。

「それに、オルランドは私のことが好きなの……?」

 私がはっきりとオルランドからの好意を口に出したせいか、彼の顔はみるみる赤く染まっていった。向かうところ敵になしと言われている騎士団長なのに、私の言葉ひとつでこんなにも動揺するなんて……なんだか、可愛く思えて来た。

 けれど、それは数秒間のことで、彼は握っていた手に力を込めた。

「……そうです。俺の初恋でした。悲しい思いをさせるために諦めたわけではありません」

「ならば、私と結婚しましょう」

「……は」

 私はオルランドの目を、真っ直ぐに見つめてそう言った。ええ。私は婚約者であるレスター殿下は好きではない。これから、まさに婚約破棄されるはずだった。

 それに、オルランドの言っていることにも一理あると思ったのだ。