待ち伏せされた悪役令嬢、幼馴染み騎士団長と初恋をやり直す。

 幼い頃の初恋相手だった……? 幼い頃のオルランドとの記憶はうっすらとあるばかり……もしかしたら、オルランドと婚約していたかもしれないと、そう言われた両親からの話はやけに覚えている。

 クラウディアはもちろん、婚約者のレスター殿下のことが好きになり、だからこそ彼に近付くマリアに嫌がらせを重ねた。女性の恋の記憶は上書き……もし、綺麗な初恋であったとしてもそうかもしれない。

 オルランドはその間もずっと、クラウディアのことが好きだったということ……? 別に嫌いで会わなくなったわけでもないし、好ましく思って居る異性ならそうなってしまいそう。

 ……もし、私の記憶が戻らずに、悪役令嬢クラウディア・エズモンドのままだったとしたら……? 嫉妬に理性を失い性格極悪になってしまっているクラウディアなら、オルランドから呼び止められても、夜会会場に向かっていたかもしれない。

 私が……記憶を取り戻したから、何事かと立ち止まっただけで……そうよ。

 転生した記憶がなければ、こんな会話を交わすこともなかったんだわ。

「オルランド……その、私」