待ち伏せされた悪役令嬢、幼馴染み騎士団長と初恋をやり直す。

 コツコツと石畳を歩く靴音が響いた。

 そうだった。レスター殿下だってマリアだって、私のような悪役令嬢が居なくなれば嬉しいはず。

 だから、全方面良い結末になるんだわ。

「そうね。オルランド。私……そうしたら、初恋をやり直しましょう」

 私たちは既に、夜会が始まった大広間の扉へと向かった。貴族たちはもう踊り出していて、軽快な音楽が扉の向こうから聞こえて来る。

 不思議なものだ。私はあの時、オルランドに呼び止められなければ、断罪されて地下牢へと収監されることになっただろうに。

 あの時に立ち止まった、ただそれだけのことで、結末は大きく違うものになった。

Fin