待ち伏せされた悪役令嬢、幼馴染み騎士団長と初恋をやり直す。

 向こうは異性を常に傍に侍らせている。では、私にもその権利があるのではないかと。

 第三王子レスター殿下よりも騎士団長オルランドの方が外見的には私の好みだし、私はエズモンド公爵家の一人娘で、王妃陛下より是非にとこわれなければ、レスター殿下の婚約者になることはなかった。

 クラウディアは才知美貌を兼ね備えた公爵令嬢で、けじめも付けられずに女遊びをする方が捨てられるべきだと思うの。

「嫌なの? オルランド」

 まさかそんなわけはないとは思っているけれど、私が微笑みかければ、彼は真っ赤な顔をして首を横に振った。

「いいえ。クラウディア……そう出来れば、嬉しいです」

 オルランドは私の手を両手で包んでそう言った。

 ……良かった。そうね。オルランドの言う通りだ。私は婚約破棄される場所に、孤立無援で向かおうとしていた。

 それを知った彼は、ここで私を待っていてくれたんだわ。一緒に断罪される覚悟で。

「では、今夜、私がレスター殿下に婚約解消を申し出るわ。理由は、幼馴染みと恋に落ちてしまったから。そうね。初恋同士だったことにしましょう」