色褪せて、着色して。Ⅵ~黒薔薇編~

 トムじいが激高したら、どうしてくれるんだと思ったけど。
 トムじいは予想に反して「ほほほ」と笑った。
 ご高齢なはずなのに、トムじいの腕はびくともしないくらいの強さで。
 私の首に巻き付いている。
「国王の命なんていりませんよ。そもそも、私が勝てる相手ではありません」
「では、お金ですか?」
「いいえ。国王に求めるのは一つだけ」
 腕の力を緩めたかと思えば、
 再びぎゅっと、トムじいは力を強めた。


「謝罪ですよ」