色褪せて、着色して。~黒薔薇編~

 世間一般では、私とローズ様は血がつながっているということになっている。
 金髪碧眼だけが同じだけど。
 周りから言わせれば、私とローズ様は顔立ちが似ているらしい。
 アイスブルーの瞳は私をしっかりと映し出す。
 ローズ様は目を細めた。
「ああ、嫌いだ」
 うわっ。言い切った…

 国王という立場から、はっきりと物事を言わなきゃいけない人なんだろうけど。
 すがすがしいくらいに、言い切ったよ。ローズ様。
 弟のお嫁さんを嫌いって。
「まあ・・・正確に言うと。あいつのアニキだがな」
 ローズ様は、ぞっとするくらい冷酷な目を見せた。
 なんか…聴いてはいけない領域に入ってしまったのかもしれない。
「へえー。お兄様がいらっしゃるんですねえ」
 と、とりあえず初耳だという顔をした。
 すると、ローズ様は左手で、顔半分を覆ってみせた。
「あの女は醜い」
「醜い!? カレン様ですか? カレン様が醜いって・・・」
 どんだけ顔面偏差値が高ければ、ローズ様は納得するのか。
 カレン様は美人…というより可愛らしい方だ。
 決して、醜い人間ではない。
「ああ。あの女は心も顔も…」
 と手で顔を覆ったままローズ様が笑った。
 その行為が何を意味しているのか、私にはわからなかった。