「わあっ、なんて素敵なお店なの……」
魔女の家のみたいだと思った建物の中は緑豊かな店内で、斜め上の大きな窓ガラスからは日の光が降り注いでいる。所狭しと並べられた観葉植物や多肉植物の種類も豊富で、本当にワクワクしてしまう。
外観からは想像も出来ない癒しの空間に、胸の中に爽やかな風が吹いたような気がして。
「気に入ってもらえたようで、良かったです」
瀬戸口さんは安心したように微笑んでくれるけれど、こんな素敵なお店を気に入らないわけがない。その喜びをどう言葉にしようか迷っていると、三十代くらいの優しそうな男性が奥から出てきて。
「……ああ、瀬戸口さんいらっしゃい。今日はまた、随分と可愛らしいお嬢さんまで連れてきてくださって」
「もう、ちゃんと二名で予約したでしょう。貴方はすぐ、そうやって俺を揶揄おうとする」
ゆったりとした話し方をするこの男性は、このお店のオーナーさんらしく。瀬戸口さんに挨拶をした後、私にも会釈をしてくれて。
でも瀬戸口さんの言う『すぐ揶揄う』とは、いったいどういうことなの?
「はは、それは揶揄いたくなるような事ばかり瀬戸口さんがおっしゃるからですけどね」
「ええと、瀬戸口さんはこちらのお店の常連さんだったりするんですか……?」
もしかして瀬戸口さんの、昔から馴染みのお店だったりするのかも。そう思って聞いてみたけど、どうやらそうでもなかったようで。
「いいえ、彼に来て頂いたのは今日が二回目ですね。まさかこんな妖精みたいな女性だったとは、あれだけ悩まれるはずです」
