「ふはっ! そこは魔女なんですね、面白いな!」
よほど私の感想が意外だったのか、瀬戸口さんはとても楽しそうに笑っている。それがいつもの優しいだけの笑顔でなく、無邪気な少年みたいな顔だから……何だか胸がくすぐったく感じて。
今まで経験したことのない胸の違和感に戸惑いながらも、どうしてそう思ったのかを瀬戸口さんに説明することにした。
「変なこと言って、ごめんなさい。この建物が子供の頃に見た、絵本のイラストとそっくりでしたので」
有名な童話だから、瀬戸口さんも何となく分かっているみたいで。彼が微笑んだまま頷いてくれて、とりあえずホッとする。こんな風に興奮して喋ってしまう事はあまりなかったので、何だか恥ずかしかったけれど。
「……いいえ、貴女に喜んでもらえたようで何よりです。きっと店内も楽しめると思いますよ」
「本当ですか!? そう言われると、なんだかドキドキします」
それを聞いてまたテンションが上がってしまって、瀬戸口さんはそんな私を見てニコニコしている。この人の前だと、何だか素の自分が出てしまいやすくて……とても困る。
こんな私を家族が見たら、きっともの凄く怒られるって分かってるのに。瀬戸口さんの見せてくれる景色に、ワクワクする気持ちが止まらなくて。
「さあ、入りましょうか」
「はい!」
古びた蔦の絡まる扉が「ギギッ……」っと音を立てて開かれて。
