ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

 私はその日、久々に愛美と会った。

「久しぶりー!」

 愛美とはお互い忙しくてなかなか会えなかった。
 愛美は数年でかなり大人っぽくなった。
 カフェで二人でずっと会えなかった時の間のことを話していた。

白乃(しの)は卒業後どうするの?」

 高校の時の友達は誰も知らない。
 というか愛美くらいしか会ってない。

「えーと、私、教員になろうとしてて……」

「え!白乃が教師!?かなり意外なんだけど!」

 自分でもそう思う。
 先生のことがなければ、多分私は教員を目指さなかった。

「あー、白乃見てたら夏雄先生思い出した!先生、結局結婚しなかったんだって噂で聞いたよ」

 それは私のせい。
 でも誰にも言えない。

「先生まだ独身なんだー。久々に見てみたいなー」
「あ、愛美はどこか就職したいところとかあるの?」

 先生の話から逸らしたかった。

「私ねー服飾系に興味持っちゃって、これからどうするか考え中」
「愛美はセンスいいからそういうの向いてそう!愛美に凄い合うと思う!」

 もう皆将来を考えて動き出す。
 学生時代はあっという間に過ぎる。

「あれ……?ねぇ、あの人、夏雄先生に似てない?」

「え?」

 振り返って窓ガラスから見える、あの面影。先生だ。
 でも隣に誰か女の人がいる。

「やっぱあれ先生だよね?先生彼女いるんだー。モテるんだねやっぱ」

 私は何も言葉が出なかった。
 その後、体調が悪いと言って、家に急いで帰って布団の中に潜った。

 わかってる。
 先生は浮気するタイプではない。
 志穂さんの時は、私に浮気していたようなものだったけども。

 あー!

 そう考えると信じられなくなってくる!
 先生が他の男の人に嫉妬するように、私だって嫉妬してるんだ。

 その時、スマホに着信があった。
 先生だった。
 とても会話できるメンタルじゃないから無視した。

 その後も何度も何度もかかってきて、着信音が聞こえないようにして無視した。