ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

 私達はほとんど会話をせず、ただ流れていく景色を見ていた。
 そして私が連れて行かれたのは、夜景がきれいな公園だった。
 車から私たちが出たあと、先生はずっと黙っていた。

 私たちは明日から、また何事もなかったように元の生活に戻るのかな。

「先生、何で三年間何も連絡くれなかったんですか……?」

「……ごめん」

 一体この三年に何があったんだろう。

「先生……私、ずっとあの時のままですよ。先生への気持ちは変わりません。たとえもう会えなくなっても……」

 夜風が二人の間をすり抜けた。

「俺はもうお前に会う資格はないと思っていた」
「え……?」
「三年も放置して逃げていた」

 どういう事だろう。

「色々時間がかかった。それが終わるまで連絡はしないように、勝手に決めていた。そしてそのうち色々自信をなくしていた。」

 今までの先生とは思えない弱気な発言だった。

「もう諦めようとした。お前がまた現れるまでは」

 先生はポケットから何か出した。
 それを私に渡した。
 小さな箱だった。

「これは……?」
「開けていいよ」

 私はゆっくり箱を開けてみた。

 ──それは

 とても眩い宝石がついたネックレスだった。

「まさか……、ダイヤモンド?」

 驚いて先生の方を見た。
 すると、先生はそのネックレスを私の首に付けてくれた。

「お前の首輪」

 首輪……。

「私は犬ですか」

 でも、とても嬉しかった。

 先生は、言葉はあまりくれないけど、別の形で伝えてくれる。

「これ、一生大切にします」

 たとえこの先どうなっても、私にとって、先生との時間はかけがえのないもの。
 私の人生の中で。

 その後、駐車場に戻って車に乗った時、先生と唇が重なった。

 ただただ、この人を好きで好きで、それでここまで辿り着いた。

 理屈じゃない。
 私はこの人が居ないとダメなんだと、心からそう思った。