ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

 また次の日、私は張り切って学校に行く。

 先生を見て、ニヤニヤが止まらない。
 でも、この前怒られたから今日は耐えることにした。

 その時、中山先生に声をかけられた。
 中山先生は体育の先生。
 普段からスポーツをやっているからか、肌が焼けていて、身体が引き締まっている。
 いつも私を気遣って明るく声をかけてくれる。

「水島さん、夏雄先生の教え子だったんだって? 先生、前はどうだった?」
「夏雄先生は人気で……全く話しかけられませんでした」
「昔からそうなんだ。夏雄先生、人気あるよね〜。今もそうだよ」

 ……今も?

 そんな、今も高校生たちから……?
 どうしよう、もしかして先生──
 嫌な想像が頭を駆けめぐる。

 先生は、ずっと女の子たちの憧れなんだ…。
 私も、そうだった。

 でも先生は、それだけじゃなかった。
 笑顔の仮面の裏に、歪んだ感情を隠し持っていて、すごく怖かった。
 でも、私はそんな部分にも惹かれてしまった。

 私を愛してくれた。

 今はどうか、わからないけど……。

「水島さんも、モテるでしょ?」
「え!? モテませんよ!」
「えー、そう?自覚がないだけかもね」

 よくわからない。
 そんなことを言われたのは初めてだった。

 ──夕方

 私は、先生と過ごした教室にこっそり行った。
 また、いろいろ思い出していた。

「……何してる」

 後ろから、夏雄先生が入ってきた。
 驚いて心臓が高鳴った。

「先生、お疲れ様です」

 先生は、窓からの景色を見ていた。

「昨日、家に帰ったら、なんか体がすごく痛くて……しかも痣もあるし。私、転んだんですかね……」

 先生はそっぽを向いていた。
 なんで、何も言わないんだろう。

「じゃあ、私、戻りますね……」

 きっと、私、なにかやらかしたんだ。

 ──その時、腕を掴まれた。

 そして先生にきつく抱きしめられた。
 温かい、先生の匂い。
 心が満たされて、ても、同時に胸が少し苦しくなる。

「先生、好きです……ずっと、ずっとあの時から」

 言いたかった言葉が唇からこぼれた。

「昨日、散々聞いたよ」

 え?

「いつですか!?」

 先生は、何も言わなかった。