ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

 退院してから——

 学校もバイトも、しばらく休んだ。
 医者からは「軽い熱中症と疲労」という診断を受けた。

「しばらく安静にして、水分をしっかり取ってください」

 でも、本当の原因は、精神的なものだったと思う。
 先生への想い、複雑な状況、すべてが重なって、心が体にSOSを出していたのかもしれない。

 家でゴロゴロしながら、好きなドラマを見たりしていた。

 先生の結婚式、どうなったんだろう……。
 想像すると、胸が締めつけられる。

 あの時、先生は「俺がいたいんだよ」と言ってくれた。
 私を助けてくれたのは、本当に嬉しかった。

 その時、スマホが鳴った。
 知らない番号。

 ……って、これ、先生の番号じゃ……?

「……もしもし?」
『どこにいる?』

 ——え、なんで突然?

 先生の声は、いつもより緊迫していた。
 何かあったの?

「家ですけど……、今日結婚式ですよね!?」
『とりあえず住所教えて』

 ……は?
 なんで教えなきゃいけないの!?
 結婚式の日に、なぜ私に連絡してくるの?

「いや、それ、色々まずいと思います……」
『後で説明するから。とりあえず、教えろ』

 ……怖い。

 でも、先生の声に只ならぬ雰囲気を感じて、仕方なく住所を教えた。
 その後すぐに電話は切られた。

 どういうこと……?
 なにかあったの?
 式場で何かトラブルでも起こったの?
 怖すぎる……。

 しばらくして、スマホにまた着信があった。

『家の近くに車泊めてあるから出てきて』

 部屋のカーテンを開けたら──

 夏雄先生がいた。