ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

 その後、俺と志穂さんはテーマパーク併設の有名ホテルの部屋にいた。
 窓からは、テーマパークが一望できる。

 水島は、もう帰ったのか?
 気になって仕方がない。

「夏雄さん、お風呂どうしますか?」
「お先にどうぞ」

 俺は仕事スマイルで返した。
 志穂さんといる時は、いつもこうだ。

 あれが最後だと思ってたのに、なんでまた現れるんだよ……。

 ──夜が深まり、

 俺は志穂さんを抱いていた。

 でも、そこに感情は何一つなかった。
 義務感だった。
 衝動も、欲も湧かない。

 ただ、水島のことを思い出していた。
 あいつの、嫌がってるくせに欲しがってる姿。
 それを思い出すとゾクゾクして、志穂さんを水島に重ねて終えてしまった。

 そしてあの日、俺を本気で欲してた水島の姿が浮かんで、心が軋んだ。

「夏雄さん……私のこと、どう思ってますか……?」

 志穂さんが、静かに尋ねてきた。

「どうされたんですか?」
「あなたは私を見てるようで、心は別のところにある気がするんです……」

 勘づかれてる。

「ちょっと仕事で色々あって……それが、ふと頭をよぎってしまって」

 これで誤魔化せるかはわからない。

「いつも頑張ってらっしゃいますからね」

 志穂さんは、俺の仕事を見たことなんて一度もない。
 まあ、そんなもんだろ。
 とりあえず、こうやって誤魔化してやってくしかない。
 もう後戻りはできない。

 ——本当、俺ってクズだな。