ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

 今日は志穂さんにお願いされて、テーマパークに行くことになった。

 正直、あまり好きじゃない。
 ジェットコースター、苦手。
 キャラクターにも興味がない。

 ガールズバーに行ってた方が、百倍楽しい。

 でも我慢。
 とりあえず、表面だけ取り繕っていればいい。
 志穂さんが満足すればいい。

 ──そう思っていたのに。

 なんで、水島がいる。
 しかも、なんだそのふざけたヘアバンド。
 そのサングラス。
 そのダサい服。

 今までとまるで違う雰囲気に、ただただ戸惑う。

 誰と来てるんだ?
 周りに誰もいない。

 志穂さんと面識があるってことは、正直怖い。
 この関係がバレることはないとは思うが。

 それでも、こんな形で鉢合わせするなんて想定していなかった。
 水島は必死に俺たちの関係を否定していた。

 なのに、否定されると腹が立つ。
 また、俺の中の“何か”が疼いた。

 結局、誰と来てるのかもわからないまま、水島は逃げた。

 男か?
 あいつ、もう男がいるのか?
 俺と寝たのに?

 あの時、「好きだ」とか「行くな」とか言ってただろ……?
 そんなもんなのかよ。

 負の感情が湧き上がってくる。

「夏雄さん、どうされましたか?」

 志穂さんが天女のような微笑みで俺を見る。

「いえ、ちょっと疲れが出ただけです」
「じゃあ今日は早く帰りましょう!」

 俺に気を遣ってくれている。
 いい婚約者じゃないか。
 あんなガキと違って。