ダイヤの首輪─先生の歪んだ愛に囚われて─

 その日は、激しい雨が降っていた。
 私は傘を差しながらも、少し濡れながら母校へ向かった。
 学校の事務室で、夏雄先生に用があることを伝える。
 ほどなくして、先生が職員玄関まで出てきた。

 あの、優しい笑顔を浮かべながら。

「はい、財布」

 先生はあっさりと財布を差し出した。

「ありがとうございます……」

 私はそれを受け取り、小走りで玄関を出た。

 やった。

 やっと——

 これで、会う理由がなくなる。

 ……そう思ったその時。

 背後から、腕を掴まれた。
 振り返ると、そこにいたのは夏雄先生だった。
 その表情は一変していた。