空蝉の絶唱

ずっと、変わらないと思っていた。

朝はおばあちゃんと朝ごはん。
どれだけ嫌な夢を見ても、おばあちゃんの笑顔を見ると、心が落ち着くの。

散歩に出かけると、きみが神社で待っている。
きみの声も、顔も、優しいところも、たまに意地悪なところも。きみの全部が大切だと思うようになったのは、いつからだっけ。

家に帰れば、おばあちゃんとその日あったことを話しながら、のんびり過ごす。
眠るのはまだ少し怖いけれど、明日またきみと会うためなら耐えられる。
きみのおかげで、こんなにも明日が楽しみだと思えるようになったんだ。

三日間は永遠になって、私はきみと何度も出逢った。

「おはよう?…えっと…柊山(くりやま)くん」

「湊(みなと)でいいよ。おはよう、透月 雪菜(すづき せつな)さん」

きみと出逢うたびに、私はもっときみを好きになる。

なのにどうして。

「ごめん。…湊とは、一緒にいられない」

ーーきみの未来に私はいない。

ねぇ湊。
私はきみに、生きて欲しいよ。

たとえきみの世界から私が消えても、きみには笑っていて欲しい。

絶対に、きみに明日をあげるから。



ーーいつだって私は、きみの幸せを願わずにはいられないんだ。