昼休みの屋上は、基本的に誰もいない
立ち入り禁止の札があるせいか、面倒を避けたい連中は近づかない
俺にとっては都合がいい
ドアを押した瞬間、風の音に混じって、人の気配がした
——先客か
柵の近くに、一人の女子生徒がいた
制服の上着を着ていない。髪が風に揺れて、やけに無防備に見えた
俺は踵を返そうとした
人と話す必要はない。ここは俺の場所じゃない
「……あ」
短い声がした
振り向いたわけじゃない
ただ、足が止まった
彼女は俺を見て、少し驚いた顔をしたあと、気まずそうに視線を逸らす
逃げない。謝らない
その態度が、妙に引っかかった
「ごめん、邪魔だった?」
俺は答えない
邪魔かどうかを、他人に説明する義務はない
数秒の沈黙
風がフェンスを鳴らす音だけが響く
「……なら、いいや」
彼女はそう言って、再び空を見上げた
無理に会話を続けようとしない
その距離感が、予想外だった
俺は柵から少し離れた場所に立つ
同じ空を見ているはずなのに、視線が交わらない
「ここ、よく来るの?」
今度も、答える必要はない
そう思ったはずなのにーー
立ち入り禁止の札があるせいか、面倒を避けたい連中は近づかない
俺にとっては都合がいい
ドアを押した瞬間、風の音に混じって、人の気配がした
——先客か
柵の近くに、一人の女子生徒がいた
制服の上着を着ていない。髪が風に揺れて、やけに無防備に見えた
俺は踵を返そうとした
人と話す必要はない。ここは俺の場所じゃない
「……あ」
短い声がした
振り向いたわけじゃない
ただ、足が止まった
彼女は俺を見て、少し驚いた顔をしたあと、気まずそうに視線を逸らす
逃げない。謝らない
その態度が、妙に引っかかった
「ごめん、邪魔だった?」
俺は答えない
邪魔かどうかを、他人に説明する義務はない
数秒の沈黙
風がフェンスを鳴らす音だけが響く
「……なら、いいや」
彼女はそう言って、再び空を見上げた
無理に会話を続けようとしない
その距離感が、予想外だった
俺は柵から少し離れた場所に立つ
同じ空を見ているはずなのに、視線が交わらない
「ここ、よく来るの?」
今度も、答える必要はない
そう思ったはずなのにーー



