とある男子高校生の日常

それから、俺たちは言葉を減らした


正確には、説明をしなくなった


昼休み


屋上が使えない日は、階段の踊り場


放課後は、昇降口の端


「今日、来ると思ってた」


彼女はそう言って、俺の隣に立つ


約束はしていない


それでも、来ると分かっている


「……偶然だ」


「嘘」


否定はしない


会話は短い


でも、沈黙は長い


雨の日、傘は一本だった


彼女は当然のように俺の隣に入る


肩が触れる


それだけで、心拍が乱れる


「近い?」


「……別に」


距離を取らない自分に、苦笑する


別れ際、彼女は時々、俺の袖を引く


「また明日」


言い方が、特別だと分かる


俺は名前を呼ばない


彼女も、無理に呼ばせない


それでも——