この星空の下で、君に恋をした

 久しぶりに病院へ向かう朝、
 私はいつもより早く目が覚めた。

 空は曇っていて、
 星のことを考えなくて済む天気だった。

 それだけで、少しだけ救われた気がした。


 病院のエントランスは、前と同じ匂いがした。
 消毒液と、静かな空気。

 受付で名前を告げると、
 今度は止められなかった。

 それが、なぜか怖かった。

 エレベーターの中で、
 鏡みたいな扉に映る自分を見る。

 ——ちゃんと、話せるかな。

 何を話すのかは決めていない。