この星空の下で、君に恋をした

 放課後、私はまっすぐ家に帰らなかった。
 鞄の中でスマホが重く感じる。

 連絡先は知っている。
 でも、メッセージを送る勇気はなかった。

 代わりに足が勝手に動いた。

 電車の中、窓に映る自分の顔は少し強張っている。

 病院が近づくにつれて、心臓の音が大きくなる。

 ——会っていいのかな。
 ——迷惑じゃないかな。

 それでも、足は止まらなかった。

 受付を通り、エレベーターに乗る。
 数字がひとつずつ増えるたび息が浅くなる。

 病室のある階に着いたとき、
 私は小さく深呼吸をした。

 会えるかどうかは、分からない。
 それでも——

「少しだけでいいから」

 そう心の中で繰り返しながら、相沢くんのいる病室へ向かった。