この星空の下で、君に恋をした

 名前が呼ばれ、私は顔を上げる。

 相沢くんはしばらく入院することになった、と伝えられた。
 今日は面会はできないとも。

「……分かりました」

 そう答えながら、私は小さくうなずいた。
 分かってなんて、いなかったけれど。

 病院を出ると外はもう夕方だった。
 空の色が少しずつ夜に近づいている。
 
 あの赤い星が見える時間。

 でも今日は、屋上には行かなかった。

 私は立ち止まって、空を見上げる。
 まだ星は見えない。

「……待つのは、慣れてるはずだったのに」

 そう呟いてから、気づく。

 待っていたのは、相沢くんじゃない。
 ずっと、自分だった。

 私は立ち止まっていたんだ。