この星空の下で、君に恋をした

 待合室には、他にも人がいた。
 誰かの家族。
 誰かの大切な人。

 みんな、それぞれの事情を抱えたまま、黙って座っている。

 私は、自分の膝の上に置いた手を見つめた。

 少し震えていて、うまく力が入らない。

 ——どうして、気づかなかったんだろう。

 廊下で見かけなくなったこと。
 屋上に来なくなったこと。

 あれは全部、避けられていたからじゃなかった。

 そう思った瞬間、胸の奥がひどく痛んだ。

「……話したかっただけなのに」

 理由を聞きたかったわけじゃない。
 責めたかったわけでもない。

 ただ、あの夜みたいに、並んで星を見たかっただけだった。