この星空の下で、君に恋をした

 やがて、担架が運ばれてくる。

 相沢くんは、天井を見つめたまま、静かに横になった。
 視線が一瞬だけ揺れる。

 そして。

 私のほうを見た。

 初めてちゃんと目が合った。

 言葉はなかった。
 でも、その視線だけで私の胸が締めつけられる。

「……」

 何か言おうとしたのかもしれない。
 けれど、相沢くんは目を閉じた。

 担架が持ち上げられ、廊下を進んでいく。
 
 人の波に押されて私は後ろに下がった。

 名前を呼べなかった。
 手を伸ばすこともできなかった。

 ただ、遠ざかっていく背中を見送ることしか。

 昼の校舎に救急車の音が近づいてくる。

 私はその場に立ち尽くしたまま、
 昨夜、屋上で決めた言葉を思い出していた。

 ——もう一度だけ。

 それすら、間に合わなかった。