この星空の下で、君に恋をした

 翌日の昼休み、始まりを告げるチャイムが鳴り、校舎の廊下が少しずつ騒がしくなる。

 私は、二階の廊下の端に立っていた。
 正面には相沢くんのクラス。

 ——もう一度だけ。

 昨夜、屋上で決めた言葉を、胸の中でなぞる。
 今日で終わりにすると。

 教室の扉が開き、数人の生徒が出てくる。
 その中に、見慣れた背中を見つけた瞬間、心臓が跳ねた。

 相沢くんだった。

 少し痩せたように見える。
 歩く速度も、前より遅い気がする。

 それでも、今度こそ。

 私は一歩、踏み出した。
 
「……相沢くん」

 呼びかけた声は、思ったよりちゃんと出た。

 相沢くんが、わずかに足を止める。
 振り向かないまま、肩だけが僅かに揺れた。

「少しだけ——」

 話したいです、そう続けるはずだった。