この星空の下で、君に恋をした

 相沢くんが言っていた言葉が、胸の奥で静かに響いた。

「……私」

 フェンスに手を置いたまま、空を見つめる。

 追いかけるつもりはなかった。
 問い詰めたいわけでも、理由を聞きたいわけでもない。

 ただ。

 このまま、何も言わずに終わるのだけは嫌だった。

「……もう一度だけ」

 声はとても小さかった。
 でも、はっきりと自分に向けた言葉だった。

 もう一度だけ、会いに行く。
 それで終わりにする。

 来ない夜をこれ以上重ねないために。
 星を見るたび、思い出してしまわないために。


 私は、ゆっくりと屋上を後にした。
 振り返らなかった。

 赤い星は、背中のほうで静かに光っていた。