この星空の下で、君に恋をした

 下駄箱で靴を履き替えながら、
 無意識に視線が動いた。

 ……いない。

 それだけで、
 胸の奥が、ほんの少し沈む。

 教室に入ると、
 友達が手を振ってきた。

「おはよ、澪」

「おはよう」

 声は、ちゃんと出た。
 笑顔も、たぶん、いつも通り。

 机に座って、
 鞄から教科書を出す。

 その動作の合間にも、
 私は何度も、廊下の方を気にしていた。

 ——来るかもしれない。
 ——昨日のこと、何か言われるかもしれない。

 でも、
 チャイムが鳴っても、
 その気配はなかった。