この星空の下で、君に恋をした

 でも、その人は少しだけ空を見上げてから答えた。

「……嫌いじゃない」

 短い言葉。
 なのに、胸の奥が小さく鳴った。

 彼は屋上の端まで歩いてきて、私から少し距離を空けて立った。近づきすぎない、でも離れすぎない距離。その取り方が、妙に落ち着く。

「今日は、ベガが一番先に見える」

 そう言ったのは、彼だった。
 淡々とした声で、事実を述べるみたいに。

「え……?」

 私は慌てて空を見る。
 確かに、さっきよりはっきりと光る星があった。

「本当だ……」