この星空の下で、君に恋をした

「……分かりました」

 本当は、分かっていない。
 でも、今は踏み込まないほうがいい気がした。

 星が、少しずつ増えていく。
 夜は、ちゃんと夜になっている。

 なのに、私たちの間には、
 昼の距離が、まだ残っていた。

 屋上を出るとき、
 相沢くんはいつもより先に歩いた。

 その背中を見ながら、私は思う。

 ——近づいたと思ったのは、夜だけだったのかもしれない。

 昼の相沢湊は、
 私の知らない場所に立っている。

 その事実が、
 胸の奥で、小さく、でも確かに引っかかっていた。