この星空の下で、君に恋をした

 澪へ

 この手紙を読んでいる頃、
 俺はもう、隣にはいないと思う。

 最後まで一緒にいられたこと、
 本当にありがとう。

 澪には、
 最後まで「普通の時間」を
 過ごしてほしかった。

 病室の匂いも、
 心電図の音も、
 弱っていく俺の姿も、
 澪の記憶には残したくなかった。

 澪の中に残る俺は、
 星を見て、
 少し寒いって言いながら、
 笑っていた時間だけでよかった。

 それは逃げじゃない。
 俺が、そうしたかった。

 一緒にいられる時間が、
 ちゃんとあったからこそ、
 もう、十分だったんだ。

 屋上で見た星も、
 並んで歩いた帰り道も、
 2人で過ごした何気ない時間も、
 全部、俺の宝物だ。

 澪に出会えたこと、
 後悔してない。

 むしろ、
 最後まで生きてみようって
 思えた理由だった。

 もし夜に空を見上げることがあったら、
 思い出してほしい。

 俺は澪の笑った顔が大好きだ。

 ありがとう。

 湊