電車の中では、
ほとんど話さなかった。
揺れる車内で、
つり革を掴む相沢くんの指先が、
少し白くなる。
私は、何度も声をかけそうになって、
やめた。
次の停車駅で、一席空いた。
「相沢くん、そこ座って」
「……澪が座っていいよ」
「私は大丈夫だから、座って」
「……ありがとう」
相沢くんはそう言いながら座った。
ほとんど話さなかった。
揺れる車内で、
つり革を掴む相沢くんの指先が、
少し白くなる。
私は、何度も声をかけそうになって、
やめた。
次の停車駅で、一席空いた。
「相沢くん、そこ座って」
「……澪が座っていいよ」
「私は大丈夫だから、座って」
「……ありがとう」
相沢くんはそう言いながら座った。

