この星空の下で、君に恋をした

 日が経つにつれて、
 私は病室の中の小さな変化に気づくようになる。

 花瓶の水が替えられた日。

 カレンダーの日付が一つ進んだ日。

 相沢くんの声が、少しだけ掠れている日。

 気づかないふりをすることも、
 覚えてしまった。

「今日は、ちょっと眠いだけ」

 そう言われれば、
「そうなんだね」と返す。

 帰り際、
 いつも同じやりとりをする。

「じゃあ、また明日ね」

「無理するなよ」

「相沢くんこそ」

 その言葉を交わして、私は病室を出る。
 
 廊下を歩きながら、
 毎回同じことを思う。

 ——明日も、同じように会えますように。

 願いというほど強くはなく、
 でも、確かにそこにある想い。