この星空の下で、君に恋をした

 夜、私は久しぶりに屋上へ向かった。

 行かないと決めていた場所だった。
 行けば、思い出してしまうから。
 考えてしまうから。

 でも今日は、
 どうしても足が止まらなかった。


 屋上の扉を開けると、
 冷たい空気が頬に触れる。

 夏の名残は、もうほとんどない。

 フェンス越しの空は、前より少し高く見えた。

 私はいつもの場所に立つ。
 隣は空いたまま。

 ——最初から、空いてたみたいに。

 そう思おうとして、
 うまくいかなかった。