スケッチブック

【探し今色】

ーー七星

七星は、
今も、よく笑う。
人に近づくのも、
怖がらない。
でも、
誰かの“余白”に、
踏み込みすぎないことを、
覚えた。

あの教室で見た夕焼けを、
今でも、
ときどき思い出す。

📻 作楪の最後の独白 若人達へ祈り色

配信を切ったあと、
作楪は、
しばらく画面を見つめていた。
もう、
誰かの未来をみることはしない。
答えを知っている人間が、
答えを与え続けるのは、
どこか、ずるい気がした。

机の横には、
古いスケッチブック。

何度も開いて、
何度も閉じたもの。

「……描けなかったな」

誰に向けるでもなく、
そう呟く。

でも、
後悔は、
もう、色を持っていなかった。

余白のまま、
そこにある。
それでいいと、
今は、思える。
作楪は、
電気を消した。

終わりに
三人は、
同じ声を聴いて、
違う道を歩いた。
混ざらなかった色も、
にじんだままの色も、
全部、
スケッチブックの中にある。
そして、
余白は、
読んだ人のものになる。


——完。